ブランド抱っこひも偽物横行 乳幼児落下の恐れ

 米国メーカー「エルゴベビー」の抱っこひもの偽造品が、オンラインショッピングを中心に出回っていることが、民間団体の調査で分かった。相次ぐ乳幼児の転落事故との因果関係は不明だが、安全基準を満たさない粗悪品もあり、担当者は「偽物と疑われる場合、消費者センターに問い合わせてほしい」と呼び掛けている。

 団体は偽ブランド品対策に取り組む一般社団法人「ユニオン・デ・ファブリカン」。昨年十一~十二月、オンラインショップで無作為にエルゴベビーの抱っこひもを購入して調査。二十五点のうち十四点が偽造品と確認された。

 エルゴベビーの正規代理店「ダッドウェイ」によると、正規品の販売価格は一万六千~二万円台だが、今回見つかった偽物は三千五百~九千五百円。生地が薄く、バックルのかみ合わせが緩いなどの特徴もあるが、全てが当てはまるわけではなく、外見で見分けるのは難しい。国内の安全基準に届かないものもあった。

 東京都の昨年の調査によると、抱っこひもから乳幼児が落下してけがをする事故は二〇〇九年以降、百十七件発生。前かがみになった時など、通常の使用法でも事故が多発しており、商品選びや使い方には細心の注意が求められる。

 装着が簡単で、子どもを楽に運べるといった理由で、主婦層に人気のエルゴベビー。東京都の三十代女性は一三年、ネットで約七千円の抱っこひもを購入したが、届いた商品には、本物にあるはずの検印がなく、代理店で正規品を買い直した。

 子育て中の主婦は外出するのが難しく、ネットでしか買えない人も多いといい、女性は「子どもが大けがをしてからでは遅い。早く対策を取ってほしい」と訴える。

 ダッドウェイは既に警察に相談しているという。

 ユニオン・デ・ファブリカンの堤隆幸事務局長は「偽造品と疑われる場合は、速やかに使用をやめてほしい」と話している。(東京新聞2015年3月30日)


外観では見分けがつかないとは厄介です。安全基準を満たさないものもあるとのことですが、乳幼児が落下すると取り返しがつかない事故になることもありそうです。こういった商品は、特に正規代理店から購入した方が良いでしょう。